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「もう!次のデートで遅刻したら減点するからね!」
また彼女に怒られてしまった。
減点って何だろう?まあいいや。次、遅刻しなければいいだけの話だ。

「次、遅刻したら減点するって言ったよね?」
僕は今、彼女の前で正座させられている。理由はまあ…お察しの通りである。
「それじゃ、約束通り減点させてもらうね」
彼女はキラリと光る日本刀を構えた。
『ちょっと待って!僕が悪かった!もう遅刻しないから許して!』
「駄目」
懇願空しく、彼女は刀を薙いだ。髪の毛がスパッと切られる。頭頂部が河童のように露わになる。
「これで良し」
『これが減点?減点とは頭頂部を涼しくする事なのか?』
「違うわよ。私が切ったのはあなたの”待つ”のぎょう人偏。これでもう待たされる事はないわ。だってこれであなたは”侍”になったんだもの」
彼女が何を言っているのか拙者には皆目見当もつかぬ…が、己の中で何かが変わった気がしている。
公開:21/09/03 20:51

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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