先輩

恋に落ちるってどんな感覚何だろう？
いつも、恋バナをしている女の子たちが羨ましかった。
だって私は、それを知らないから。

「先輩、いつまで練習してる気ですか？
　そろそろ帰らないと怒られますよ」
「ごめん、今帰る支度するからちょい待って！」
彼は部活の先輩。
練習熱心で人懐っこくて好きだけど、きっとこれは恋とは違う。
「もう遅いし家まで送ってくよ、女の子一人じゃ危ないだろ」
「え、ありがとうございます」

「ていうか、いつも俺が帰るまで待っててくれてありがとな」
「別に、私も練習したくて残ってるだけなので」
「えぇ～、冷たいなぁ　でも俺、お前のそういうとこ好きだよ
　、、、ってわけでお礼にぎゅー！」
「っわ」
「お前の家着いたし、またな」
そう言って先輩は私の頭をなでてから去っていった。
先輩に触れられたところが、とても熱い。
「何、これ、、、っ」
あぁ私今、恋に落ちた。