じゃあまたな。淘汰されるなよ

6
4

「こういうのハッキリ言って無駄遣いだよ」
街頭で受け取ったポケットティッシュを小馬鹿にしながら鞄に突っ込む。
「俺は見ちゃうけどなこの類の広告…あ」
同じく受け取った友人は急に振り返った。
「タイプの女だったか」
いやと向きを戻した友人はニヤけながら
「まぁでも貰った時は見なくても後で使う時に見てもらえば御の字なんじゃない?」
「俺は見ないなぁ。小銭の釣り銭も見ないで財布に戻すタイプ」
何の自慢だと鼻で笑う友人は、じゃあまたなの後に気になる捨て台詞を吐いた。

「あなた、ティッシュある?」
店で子供が水をこぼした。鞄から出し妻に渡す。
拭き終わるとまじまじと眺めた妻が「何これカルト?」と突き返す。
受け取るとソレにはこう書かれていた。
『コレを配ったのは精巧な人型ロボットです。読むまで気が付かなかった方、ロボットが人類の仕事を違和感なく奪う時代が来ています』

あの時の捨て台詞を拾った。
SF
公開:21/09/02 10:50
更新:21/09/02 11:41

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容