最高のおもてなし
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吾輩は王様である。名前はまだない。
ただ、暗く長い洞窟で長きの間、冒険を続け、やっと玉座を手に入れた事だけは覚えている。
だが、ある日、私の周囲の空間がいきなり歪みだし、異界に放り出されてしまった。
気付くと、私は眩しい照明の中、見知らぬ男女にじぃーと見つめられていた。
彼等は言った。
「生まれて来てくれてありがとう」
けれども、私には彼らが喋っている異界の言葉が全く理解できなかった。
だが数日が経ち、気付いた事がある。
それは彼等が私の下僕である事を。
彼等は私のために良くしてくれた。
私が一声かければ、眠っていても飛び起き、世話を焼いてくれる。
食事、洗濯、身の回りの事は当たり前。
時に話し相手にもなってくれた。まあ、イマイチ言葉が分からないので、私は聞き流すことにしている。今だってあの壁の向こうで私のために尽くしてくれている。
「先生、私の心臓をあの子に移植してあげて下さい。」
ただ、暗く長い洞窟で長きの間、冒険を続け、やっと玉座を手に入れた事だけは覚えている。
だが、ある日、私の周囲の空間がいきなり歪みだし、異界に放り出されてしまった。
気付くと、私は眩しい照明の中、見知らぬ男女にじぃーと見つめられていた。
彼等は言った。
「生まれて来てくれてありがとう」
けれども、私には彼らが喋っている異界の言葉が全く理解できなかった。
だが数日が経ち、気付いた事がある。
それは彼等が私の下僕である事を。
彼等は私のために良くしてくれた。
私が一声かければ、眠っていても飛び起き、世話を焼いてくれる。
食事、洗濯、身の回りの事は当たり前。
時に話し相手にもなってくれた。まあ、イマイチ言葉が分からないので、私は聞き流すことにしている。今だってあの壁の向こうで私のために尽くしてくれている。
「先生、私の心臓をあの子に移植してあげて下さい。」
公開:21/09/02 10:33
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