汗太郎

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夏休みの最終日。最高気温は39℃!暑さから逃れようとお父さんと海水浴に来たら、沖の方から山みたいに大きな男の人たちがぶつぶつ唱えながら大勢で歩いてくる。
「恐ろしいぞう。汗止まんないぞう」
「お父さん大変!海から沢山人がやって来た」
「汗太郎だな」
大きな人たちは全身からドバドバ汗を流していた。海水が急にひんやり冷たくなる。
「海は大勢の汗太郎の冷や汗で出来てるんだ。今日みたいに暑いは日は汗太郎が海を冷やしてくれる」
「何が恐ろしいんだろ」
大量の汗を流した汗太郎はみるみる萎んで海の中に消えた。僕は小指くらいのサイズになって泳いでるチビ汗太郎を捕まえた。
「可愛い。飼ってもいい?」
「汗太郎は海でしか生きられないからすぐに死んでしまうよ。それに汗太郎がいないと海も死んでしまう」
「痛!」
ビックリした。汗太郎に噛まれた。傷口から血じゃなくて透明な…何だろ?
恐ろしいぞう。汗止まんないぞう。
その他
公開:21/08/31 15:07

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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