笑えます!!
5
1
何もない田舎道を歩いていた。突然「絶対に笑えます!!」の看板。かなり大きい。矢印がピカピカ光っている。矢印の先を見るが田んぼがあるだけ。不思議に思っていると、老人が現れた。老人は「笑いたい?」と言ってきた。「えっ?」と私は聞き返す。「笑いたい?」もう一度聞いてくる老人。看板を設置した人間らしい。「あっ、はい」と言うのがやっとだった。「じゃあ、ついてきて。」後をついていく。広い場所に出る。セスナ機があった。「これで、行くから」と老人。「はっ?」と言う、私。状況が飲み込めない。「笑いたいんでしょ?」と、老人。「これに乗れと?」「そう」と、老人。唖然とする私。沈黙の時間が流れる。「どうすんの?やるの?やんないの?」もう、やけくそだった。「やります」と私。「じゃあ、早く乗って。」セスナが飛び立つ。かなりの高度まで来ると老人が突然「ホラ、下!」田んぼアート。その美しさに私は自然に笑顔になっていた。
その他
公開:21/08/29 16:53
時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。
ログインするとコメントを投稿できます