キューブ兵

　僕はキューブ兵です。テレビのＣＭでお馴染みの。
　戦争の悲惨さを少しでも和らげるよう造られた、ユニークなロボット兵、それがキューブ兵です。
　二年前の戦いは楽でした。上官の指示通りにやれば、降伏、降伏の嵐でしたから。
　この前のは、あれは、無しにして欲しいです。キューブ兵同士の戦いなのに、グロ過ぎると非難を受けましたが、僕達は上官の命令に従うしかないのです。たとえ、敵方に良い案配の標的にされていたとしても。
　
　スコーン！
　敵方の銃弾は僕の眉間を貫きました。お見事です。けど、大丈夫。僕はキューブ兵だから。
　
　戦闘不能になったキューブ兵達がゾクゾクと集められています。
　「あいつ、こいつは、そいつも‥」何か始まりそうな雰囲気です。

　あれ、あいつは右側を向いた。こいつは左側。そいつは腹の辺りでニタニタ笑っている。
　僕はキューブ兵の残骸の胸に収まり、あいつを下から覗いてみた。