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夢の男。私はそう呼んでいる。毎晩、夢に出てくる男。誰?誰なの?夢の中で聞いても男は答えない。特に何かしてくる訳でもない。そして、なによりも、薄気味わるいのが、男の顔。イケメンとまでは言えないが整った顔なのだが表情がないのだ。そしてどんなに、話かけても反応がない。意を決して男の顔にビンタを食らわしてみた事もあったが、やっぱり反応はなかった。最初こそ怖かったが、日が経つにつれ、怖さよりイライラの方どんどん勝っていった。そして、一年程が経ったある日。その日は男の様子が少し違った。少し微笑んでいる。私の怒りは最高潮に達した。男をボコボコにする。しかし、やはり男は何もしてこなかった。何故か私は夢の中で号泣していた。目が覚める。枕が濡れていた。その日を境に男は夢に出てこなくなった。
ホラー
公開:21/08/30 11:36

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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