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私には最近気になることがあった。
放課後の通学路。その真ん中に空き缶が1つ、ポツンと置いてある事に気がついたのだ。
調べてみるとどうやら空き缶があるのは金曜日と決まっているようだ。
私は気になって木曜日まで眠れなかった。
金曜日。私は部活を休んで早めに現場へと訪れた。
すると見知らぬおじさんが、正に空き缶を置こうとしている場面に出くわした。
私は声をかけ理由を聞いた。
「金曜日の放課後、部活終わりに用務員室の窓の下で告白した男子は必ず成功するって伝説を私が作ってしまってね。私は成功してそれが今の妻なんだけど、それ以降の男子は中々上手くいかない。悪いなと思って、せめてこの空き缶でフラれた腹いせをしてもらおうと思ってね」
おじさんはそう言って空き缶を蹴った。
謎は解決した。そして今日、あいつから例の窓の下に来てくれって言われていたことを思い出した。
あいつも今日、この空き缶の世話になるだろう。
ミステリー・推理
公開:21/08/30 11:09
更新:21/08/30 11:37

セイロンティー( 鹿児島 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

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