座敷童の要求

世の中、金と権力が全てだ。それさえあればどんな願いだって叶う。
気に食わない奴に暴力を振るおうが、無茶な要求をしようが全てが許される。
学生でありながら金と権力を持った私は実際それで思うがまま生きている。私は無敵だ！

ある日、家に帰ると親に呼ばれた。…何、この子？
「この方は座敷童様だ。我が家に繁栄を齎してくれる神様でな、是非ともお前と遊びたいと言っている」
座敷童と呼ばれた子はにたりと笑った。
『お前、毎日楽しそうな遊びをしているな。私にもやらせろ。そうだな…まずコンビニで５万円分の万引きをしてこい』
はぁっ！？無理に決まってんじゃん！何言ってんだコイツ！
『お前がいつもやっている遊びじゃないか。出来ないのか？じゃあいい。遊んでくれないなら私はこの家から出て行く』
「お待ちください座敷童様！すぐに！すぐに万引きさせてきますので！」
世の中、金と権力が全てだ。でもそれは神様に通用しない。