われろっ!

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幼い頃、私は超能力が使えた。手を触れずにモノを動かしたり、透視が出来た。
しかし成長していくにつれ徐々に超能力は失われていく。
でも私に対する興味は失われなかった。
私の過去を知る者がいた。そいつによって、私はいじめの対象となった。
「おい!超能力使ってみろよ!」「先生、こいつ超能力でカンニングしていました!」
さらには「このコップを超能力で割ってみせろ」なんて言い出す始末。
クラスメイトは誰も止めようとしない。興味津々で私を見る。
私はしぶしぶ意識を集中させた。…われろ…われろ…
「早く割れよ嘘吐き!」
ああもううるさいなぁ…今やっているだろう…
結局コップは割れなかった。当たり前だ。私にコップを割る力はない。
でも、いじめはなくなった。クラスメイトは元より、私の過去を知る者が学校にいなくなったから。
私にはまだ超能力が残っているらしい。「呪われろっ!」と強く念じ、それが叶ったのだから。
ホラー
公開:21/08/27 20:20

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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