天国の滑り台

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生前の行いが評価されたらしく、私は天国へと召された。
天国は実に快適で、気ままに過ごす事ができた。死後に思うのも何だが、生きてきて良かったと感じたほどだ。

ここへ来てしばらく経った頃。
天使に怒声を浴びせながら、二人の男が連れていかれる場面に遭遇した。
「俺が生前、どれだけ人のために働いてきたと思ってるんだ!」
「ちょっと問題起こしたからって、どこへ連れて行く気だよ!」
激しい語気の二人は、嫌々ながらも長そうな滑り台に乗せられ、悲鳴をあげながら見えない先の何処かへと消えて行った。

やれやれといった表情で天使は飛び去り、天国は平穏を取り戻したようだった。
天国だからといって、何をしてもいいって訳じゃ無い。何となく、そう思った。
ファンタジー
公開:21/08/28 18:00
更新:21/08/28 07:23

お弁当係

2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 

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