少年愛好家

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良いわぁ。凄く良い。
小学校のグラウンドでサッカーに打ち込む男の子。

「おい、あのおばさん。またいるぞ」
「ほんとだ……。毎日毎日、サッカー部の練習をずっと眺めてる不審者のおばさんだろ」

少年サッカー部の男の子達は話していた。
そんな時だった。おばさんのいる方向にボールが転がっていった。

「ねぇ、僕」
「はい?」
「リフティングは何回できるの?」
「えっ、まあ30回くらいは」
「ちょっと見せてくれない?」
「は、はぁ……。まあいいですけど」

そして男の子は、リフティングをしてあげた。

「凄い。いいわぁ……」

そう言いながら、おばさんは恍惚の表情を浮かべながら、スマホでリフティングしている男の子の写真を撮りまくっていた。気味が悪くなった男の子は、リフティングを失敗してすぐにその場を離れていった。

「何だよ。あのおばさん」
「少年愛好家って呼ばれてるよ」
「マジ!?怖っ……」
公開:21/08/27 13:24

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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