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陽の光で目が覚めた。壁掛け時計の針は2本とも上を向こうとしている。
今日は休みだ。
さて、何をしようか。外出する気分ではない。ただテレビを見るだけではつまらないし。
30分ほど床の上で考えたが何も出てこず。時計の針は、いつの間にか軽い会釈を始めている。
ふと、俺は起きてから今まで、一言も言葉を発していないなと思った。
これだ。今日は夜寝るまでの間、一言も喋らない様にしよう。何の意味もないが、休みだからこそ出来る事だ。
昼飯を食べながらワイドショーを見た。喋らないのは余裕だった。
昨日レンタルしていたアクション映画を見た。声が出そうになるけど何とか堪えた。
日が暮れ始めた。後は夕飯を食べて寝るだけ。余裕のチャレンジだった。
寝る前に目覚ましをかけようとスマホを起動しようとした。そこで手が止まる。このスマホは音声認識でロックを解除するようにしていた。
俺の唇が小さく震えた。
その他
公開:21/08/27 10:53
更新:21/08/30 19:11

セイロンティー( 鹿児島 )

初めまして。昔から小説を書くのが好きでした。ショートショートの魅力に取り憑かれ、日々ネタ探しに奔走する毎日です。
小説のコンセプトは【ドアノブの静電気くらいの刺激を貴方に】です。
皆様、どうぞ宜しくお願い致します。

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