夢って必要ですか?

2
1

少年が聞いた。
「夢って必要ですか?」
彼は少年に答えた。
「きみはどうして、そんな質問がしたくなったの」
「夢って、なんだか、しんどそうだから…」
彼はメガネの位置を直しながら、少年にこう問いかけた。
「きみは、恋をしたことがあるか」
「え?はい」
「恋が叶った時はどんな気持ちだった?」
「それはもう天にも昇るくらい嬉しかったです。」
「では、失恋したときは?」
「絶望で死にたいと思いました。」
「しんどかったか?」
「はい」
「それで、恋はもう懲り懲りだと思ったかね。」
「いいえ。」
「時には、そんな辛い思いをすることがあってもか?」
「はい。」
彼は、テーブルに両肘をのせ指を組み、少年に言った。
「夢は恋愛と同じだ。叶ったときの嬉しさも、破れた時の絶望も、何も変わらない。君が、恋愛を続けることができるなら、夢を持つのだって簡単なことさ。夢とは、自分の将来に恋愛することなんだ」
青春
公開:21/08/26 23:02

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容