鏡の中の

鏡を神聖な丸い太陽の神として祀る神鏡も。
「かがみ」の真ん中にある「が」。「我」を捨てされば「かみ」であるという考えも。「が」は「かみ」に包まれているという考えも。

家の。部屋の鏡。
学校の。トイレの鏡。
試着室の鏡。
手鏡も。

鏡に映る自分。
左右が逆の鏡に映る自分。
鏡の中に映っている自分の姿の者から、鏡の中にいる者から見つめられている自分。

鏡の中の鏡。そのまた鏡の中の鏡。

決して触れ合うことのない自分と鏡の中のせかい。

本当に？

それは現れているよ。
確かめる簡単な方法があるよ。鏡に向かってずっと、じゃんけんしてごらんよ。ずっとあいこのはずだよね。
でもね。鏡の中の者は飽きてきて、そのうち違う手をだしてくるよ。ほら。

それは行われているよ。鏡の中のせかいの死角に連れ去られたら見つけられない。見つけることはできない。

鏡の中のせかい。神隠しの正体の一つかもしれないよ。