トイレの紙様

4
1

グーギュルルル……。腹が痛い。
この感じ、人生経験30年のベテランの俺になら分かる。これは一刻も早くトイレに行かなければ手遅れになる。ここから最短で行けるのは、スーパーのトイレ。スーパーに着き、真っ直ぐトイレに向かう。個室に入り、ギリギリのところで助かった。

「ふぅ……。危なかったぜ……。……ん?あっ!!紙がないじゃないか!!」

最悪だ。慌てていたものだから紙があるかどうかなんて考える余裕もなかった。
その時だった。

「紙取りましょうか?」

ドアの外から男性の声が聞こえてきた。

「はい!お願いします!」

俺は藁にもすがるような思いで頼んだ。
少し待つとトイレのドアをノックされる。

「どうぞ」

俺はドアを少しだけ開けてトイレットペーパーを受け取った。

「ありがとうございます」

そしてトイレットペーパーを使い終わり、外に出ると誰もいなかった。
ありがとう神様、いや、紙様。
公開:21/08/25 08:52

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容