変路道

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変路道
仕事に行き詰まり悩んでいた男に、友から電話があった。彼とは長く会っておらず、どうしていたのだと聞くと、俺と一緒に遍路旅に出たら解ると誘ってきた。急だけどその日の夜に出発した。

お盆で実家に戻った時、お前を見に行くと塞ぎ込んでいたので心配していたんだと言った。
いつの間にか眠り込んでいると、青空と海の四国に着いていた。
男は彼と一緒に旅に出て良かったと思った。
二人で歩き初めて山中に来た時、道が三本に分かれていた。
友は道の長短はあっても同じ札所に着くからと、真ん中の白い道を選び先にいった。

男は右の鬱蒼とした道を見ると、家に閉じ籠もっている様な気持ちになった。
左は荒れた石のゴツゴツの道だが、遠くの方に明るい青空が見える。
男は左の石の道を選び進むと、途中からは砂地に変わって来た。

突然、電話の音で我に返ると、男は自分の部屋に居た。
何故かスッキリし又働く意欲が湧いていた。
ホラー
公開:21/08/22 13:25
更新:21/08/22 13:53

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