将棋
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                                「わしに勝ったら、好きなものをやろう」
うちの爺さんは、将棋と骨董品集めが趣味だ。将棋はそこまで強くないが、歴が長いので、あらゆる戦術を知り尽くしている。俺はまぐれで勝っては、小遣いや訳の分からない骨董品を貰う。
この歳になって本気になったのか、爺さんは親戚やら近所の方やら将棋仲間やら、みんなに同じように言い始めた。爺さんの骨董品は有名だったので、いろんな人が来た。
そんな爺さんが入院した。病室にまで将棋盤と駒を持ち込んで、俺とも、見舞いに来た人とも、将棋を打っていた。俺は一番、爺さんと将棋を打っていたので、さすがにいい戦いをしていた。
「強くなったな。こんなにわしとも戦って」
「強くてもたまにしか来ないようなヤツより、いつも打ってる俺の方が、爺さんの事は分かるよ」
爺さんが死ぬ時。
「これで、遺品整理は終わりじゃ…」
骨董品は綺麗に無くなり、爺さんは安らかな笑顔でこの世を去った。
    うちの爺さんは、将棋と骨董品集めが趣味だ。将棋はそこまで強くないが、歴が長いので、あらゆる戦術を知り尽くしている。俺はまぐれで勝っては、小遣いや訳の分からない骨董品を貰う。
この歳になって本気になったのか、爺さんは親戚やら近所の方やら将棋仲間やら、みんなに同じように言い始めた。爺さんの骨董品は有名だったので、いろんな人が来た。
そんな爺さんが入院した。病室にまで将棋盤と駒を持ち込んで、俺とも、見舞いに来た人とも、将棋を打っていた。俺は一番、爺さんと将棋を打っていたので、さすがにいい戦いをしていた。
「強くなったな。こんなにわしとも戦って」
「強くてもたまにしか来ないようなヤツより、いつも打ってる俺の方が、爺さんの事は分かるよ」
爺さんが死ぬ時。
「これで、遺品整理は終わりじゃ…」
骨董品は綺麗に無くなり、爺さんは安らかな笑顔でこの世を去った。
        その他
      
      公開:21/08/22 13:00      
    2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 
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