映霊機

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こちらの映写機のような機械は、心霊写真と思しき写真のフィルムをセットし、その霊の正体をスクリーンに映し出す「映霊機」と呼ぶものです。
また、映霊機のレンズから発せられる光は、心霊現象の類とされる怪火の明かりで、スクリーンは、霊糸で織った布でできています。
例えば、この火の玉のようなオーブが写りこんだ心霊写真ですと、見てください、スクリーンに神様のような姿が映り出されています。これは土地神です。土地神は、その土地に住む人々の先祖神や守護神ですので、ご心配に及びません。
ただ、心霊写真には、時おり浮遊霊や地縛霊など悪い霊が写りこんでいるケースもありますので、そのような心霊写真は、除霊のうえ、ご供養させていただきます。
本日は気になる心霊写真をお持ちとのことで、写りこんでいる霊の正体を確認してみましょう。

何も映り出されないので、心霊写真ではありません。実は、こういうケースが一番多いのです。
ホラー
公開:21/08/22 07:10
映写機 心霊写真 フィルム スクリーン レンズ 火の玉 オーブ 土地神 浮遊霊 地縛霊

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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