夢の薬
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真夜中の訪問者は図々しくアームチェアに座った。
「さて。君が地下室で怪しげな研究をしているのは分かっています」
「ーー何の事だ」
「君に与えられた選択肢は二つです。一つは全ての研究データをこちらに渡し、用意した施設に身を隠すこと。二つ目は、データと共に我々の仲間になることです」
「あんた達は何者なんだ」
「一緒に来れば分かります」
「ただの健康サプリだよ」
「我々の事を甘く見ない方が良いですよ。昨日、君が頼んだ天丼屋はうちの者です。その前のピザ屋もね。野球ボールで窓を割ったのもそうです」
諦めて地下室に男を連れて行く。
「この錠剤がそうですね」
「飲んでみれば分かる」
男は興奮して背を向けた隙にペイント弾を撃つ。
「すごい! ついに男の夢が叶いますよ!」
男の姿は無く、声だけが響く。
黄色に染まった透明人間に向かって今度は銃を撃つ。
「悪いな。これは俺だけの夢なんだ」
「さて。君が地下室で怪しげな研究をしているのは分かっています」
「ーー何の事だ」
「君に与えられた選択肢は二つです。一つは全ての研究データをこちらに渡し、用意した施設に身を隠すこと。二つ目は、データと共に我々の仲間になることです」
「あんた達は何者なんだ」
「一緒に来れば分かります」
「ただの健康サプリだよ」
「我々の事を甘く見ない方が良いですよ。昨日、君が頼んだ天丼屋はうちの者です。その前のピザ屋もね。野球ボールで窓を割ったのもそうです」
諦めて地下室に男を連れて行く。
「この錠剤がそうですね」
「飲んでみれば分かる」
男は興奮して背を向けた隙にペイント弾を撃つ。
「すごい! ついに男の夢が叶いますよ!」
男の姿は無く、声だけが響く。
黄色に染まった透明人間に向かって今度は銃を撃つ。
「悪いな。これは俺だけの夢なんだ」
SF
公開:21/08/23 21:19
真夜中の訪問者
ちょっとやってみたかった
透明人間
偏見が凄い
すみません
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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