VRゲーム
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VRの対人戦ゲームにログインする。フィールドは廃墟の街を模した、いつもの戦場。
前方、遠くの廃墟で、ゆっくりと動く人影を見付ける。獲物は逃さない。すぐさま距離を詰めるが、相手は変わらずゆっくりと動くだけ。楽勝な相手だ。
銃を構え、先程の人影を見やると、俺は息を呑む。
人影はプレイヤーの形を為してはいるが、首が在らぬ方向へ傾きながらくるりくるりと回っている。腕も人ではあり得ない可動域。頭のゴーグルと両手のコントローラーが、プレイヤーの挙動をそのまま投影しているはずだが。。
やがて首の回転が俺の方で止まる。
俺は恐る恐る銃から眼を離すと、それは目と鼻の先で俺の顔を覗き込んでいた。俺は恐怖のあまり叫び、走り出すが、その顔はいつまでも目の前に映り続ける。俺は倒れながらVRゴーグルを投げた。
最後に見たあの眼。
あれはCGなんかじゃない。
感情に満ちた、人間の眼だった。
…俺は何に出会ったのだ?
前方、遠くの廃墟で、ゆっくりと動く人影を見付ける。獲物は逃さない。すぐさま距離を詰めるが、相手は変わらずゆっくりと動くだけ。楽勝な相手だ。
銃を構え、先程の人影を見やると、俺は息を呑む。
人影はプレイヤーの形を為してはいるが、首が在らぬ方向へ傾きながらくるりくるりと回っている。腕も人ではあり得ない可動域。頭のゴーグルと両手のコントローラーが、プレイヤーの挙動をそのまま投影しているはずだが。。
やがて首の回転が俺の方で止まる。
俺は恐る恐る銃から眼を離すと、それは目と鼻の先で俺の顔を覗き込んでいた。俺は恐怖のあまり叫び、走り出すが、その顔はいつまでも目の前に映り続ける。俺は倒れながらVRゴーグルを投げた。
最後に見たあの眼。
あれはCGなんかじゃない。
感情に満ちた、人間の眼だった。
…俺は何に出会ったのだ?
ホラー
公開:21/08/23 18:00
2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
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