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家が欲しかった。
大きく無くて良い、雨風が凌げて、ゆっくりと眠れる我が家。
しとしとと降る雨の中、俺は駅前商店街の不動産屋さんヘと出掛けた。
硝子戸には、物件案内の紙が所狭しとたくさん貼られている。
俺は、硝子戸にべたりと顔をつけて店内を覗き込んだ。
店主らしき白髪に黒ぶち眼鏡の年配の男性が帳簿をつけている。その隣には、妻らしき女性がパソコンを覗いていた。
「母さん、雨が上がったようだな」
「あら…本当。お父さん、空気を入れ替えたら?」
「そうだな」
そう言って、店主が硝子戸をガラガラと開けた。
その途端、俺は足を滑らせて下に落ちてしまった。
「うわっ!」
「どうしたの?お父さん」
「ナメクジだよ。母さん、塩を持って来てくれ」
俺は、塩を掛けられ、シュワシュワと溶けて無くなった。
「カタツムリみたく家が欲しかったのかしら?」
「あはは…母さん、面白い事言うね」
大きく無くて良い、雨風が凌げて、ゆっくりと眠れる我が家。
しとしとと降る雨の中、俺は駅前商店街の不動産屋さんヘと出掛けた。
硝子戸には、物件案内の紙が所狭しとたくさん貼られている。
俺は、硝子戸にべたりと顔をつけて店内を覗き込んだ。
店主らしき白髪に黒ぶち眼鏡の年配の男性が帳簿をつけている。その隣には、妻らしき女性がパソコンを覗いていた。
「母さん、雨が上がったようだな」
「あら…本当。お父さん、空気を入れ替えたら?」
「そうだな」
そう言って、店主が硝子戸をガラガラと開けた。
その途端、俺は足を滑らせて下に落ちてしまった。
「うわっ!」
「どうしたの?お父さん」
「ナメクジだよ。母さん、塩を持って来てくれ」
俺は、塩を掛けられ、シュワシュワと溶けて無くなった。
「カタツムリみたく家が欲しかったのかしら?」
「あはは…母さん、面白い事言うね」
その他
公開:21/08/20 17:10
言葉遊びが好きで、褒めらると伸びるタイプです。
良かったら読んでやって下さい!
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