閉店挨拶

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駅から家までの帰り道を、商店街を通ると、あれここはシャッターが降りている、ご挨拶の紙が貼ってある。
「昨今の情勢も鑑み残念ながら、閉店させて頂きます。
長らくご愛顧頂きました皆々様に、心から厚く御礼申し上げます。店主」

何の店だったかと考えたが、思い出せなかったが、暫く行くとアーそうだ、ラーメン屋だったと。
前に立ち寄ったこともあり、味は良かったが高齢のおやじが一人でやってた、致し方ないかなと思った。
後日あの店の前を通ると、何とリニューアルされ暖簾が出ていた。

試しに入ると、前と同じく一人でやってるラーメン店だが、先客もすでに数人はいた。
その割には上手く店の段取りもされており、スムーズに店は流れている様だ。

よく見れば店主の手がやたら多く、湯切りをしている手、麺を茹でてる手、トッピングしている手、客に丼を出している手等が縦横無尽に働いている。
何と経営者は火星人ではないか!
SF
公開:21/08/20 14:07
更新:21/08/20 15:22

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