変態望遠鏡

私は山に登る際、必ず変態望遠鏡を持参する。
変態という響きから嫌煙されるこの望遠鏡だが、昆虫学者を目指すものなら皆これを持っている。
変態とは動物の生育過程において形態を変える様子を表す。その意味を知らない者が多すぎるから変態望遠鏡は偏見の目で見られるのだ。
この望遠鏡を使えば、蛹から羽化する様子等をしっかりと確認出来る。その為の望遠鏡だ。
…とはいえ、この変態望遠鏡はもう一方の意味の変態にも使える。
１６０８年、望遠鏡の元を作ったリッペルスハイはその後、変態望遠鏡を開発した。
変態望遠鏡を手にある人物が昆虫が変態する様子を観察している中、その人物は林檎の木を眺める青年が気になったそうだ。
なんとその青年、木から林檎が落ちる様子を見て万有引力を思いついたというとんでもない変態だった！
ニュートンの偉大なる発見は変態望遠鏡を手にしたこの人物が証人となった。変態望遠鏡は変態の進化を見逃さない。