人魚の涙

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ある街の海辺に、美しい人魚が住んでいた。
その人魚は、人間になり、普通に暮らすことを夢見ていた。

ある日、1人の男が偶然彼女の姿を見つけてしまった。
「君は本物の人魚なのかい?」
2人が恋に落ちるのに、時間はかからなかった。

2人でいることが当たり前になったある日、男がこんな話を持ちかける。
「君の涙をオークションにかけてみないかい?世にも珍しい人魚の涙、きっと高く売れるよ」

実際にオークションに涙を出品したところ、男の言う通りに高値がついた。

来る日も来る日も人魚は涙を売り続けた。
涙で稼いだ莫大なお金で、人魚は人間になれるという手術を受けた。

手術は無事に成功した、これからは自分の足で歩いて、彼のもとに会いに行ける。

早速男に会いに行くと、男はこんなセリフを吐き捨てた。
「僕は人魚の君が好きだったんだ。」

価値を失った滴が、女の頬を静かに濡らした。
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公開:21/08/19 21:00

芋ズン

ぼちぼちと投稿していきます。

意図的に他作品を模倣することはありませんが、
知らず知らずに脳の片隅から引用しているかもしれません。

以前別のアカウントでこちらに投稿していたものを再掲していることもあります。
既視感の正体はそれかも。

(2021.08.17〜)

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