閑話休題16

空津 歩には１歳半の息子がいる。
息子の最近のお気に入りは「きかんしゃトーマス」だ。
子供の頃にみたあの愉快な機関車たちのお話を子供が楽しそうに見ているのはどこか感慨深い。

しかし、さすが令和新時代、現代のトーマスは過去作とは随分違う。

当時はジオラマだったトーマスたちも現在フルCGになった。
テーマソングもカントリー調のピアノ曲から歌詞付きのものに変わり、ナレーションは森本レオ氏からジョン・カビラ氏に変わった。

かつての記憶から空津も妻もいいしれぬ「コレジャナイ感」を感じつつ、息子のはしゃぎっぷりに癒される。

ごく稀に労働に関する哲学的テーマを感じたり、
巧みな話の構成に驚かされたりもする。

トーマスたちは日々「役に立つきかんしゃ」であろうとしている。

空津は「役に立つきかんしゃ」にはなれない。しかし、
閑話休題を書き終え、せめてお皿くらいは洗おうとキッチンへと立った。