ガラスの小瓶

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今では簡単な謎も昔々江戸時代では迷宮入りになる事が多かった。
その一つにガラスの小瓶…当時ぎやまんと呼ばれていたものを使った殺人事件がある。
女はびいどろ片手に憎き男の背後にそっと近づく。ぽっぺんぽっぺんと間抜けな音がする笛がまさか凶器になろうなんざ男は気付かない。
先のまあるい部分を近くの壁に軽く叩きつけりゃ、びいどろは鋭い刃物に早変わりさ。
それを男の首筋なり背中なりに突き立てりゃ、相手はあっという間にあの世行き…あとは残ったびいどろを割りゃ証拠も隠滅さ。
まさか、こんな簡単に砕け散るものが凶器だとは誰も思いやしねぇ。これで完全犯罪が成立する。
いやはや…割れたガラスが危険だと知っている私らにとっちゃバカな話だと思うよ。でも昔は真剣だったのさ。
ん?あんた、何か言いたそうだね?未来から来た自分は現在の謎もバカな話に聞こえるって?
面白い。なら次はあんたの話、聞かせてもらおうじゃないか。
ミステリー・推理
公開:21/08/17 20:29

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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