理想的なライバル

2
2

成績表を開く。また学年一位か。どうせなら学年二位ならよかったのに。学年二位なら次は一位になるぞという強いモチベーションを持って勉強に打ち込めるのに……。学年一位だと一位を維持するだけ。これでは勉強のモチベーションが上がらない。退屈だ。どこかに俺に相応しいライバルは、いないだろうか。
ある日、うちのクラスに転校生がやってきた。イケメン、私立のお金持ちで頭が良いと有名な中学校から来た男だ。俺は期待していた。コイツが俺よりも良い成績を獲り、俺よりも上に立ってくれるのを願っていた。イケメン、高身長、金持ち、成績が良い。こんな理想的なライバルは、他にいないだろう。テストが終わり、俺はドキドキしながら通知表を開けた。

「一位……」

俺はあいつに勝ってしまったのか。なんだ、所詮はその程度か。

「きゃー!凄い!一位!!」

女子が叫ぶ視線の先に奴がいた。奴も満点で一位。俺はついにライバルに出会った。
公開:21/08/19 11:38

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容