海外事業部

事務員として働いていた聡子は、ポンコツで失敗ばかりしていた。そんな聡子を自ら退職させる為、人事部は聡子を畑違いの海外事業部に部署移動させた。もちろん聡子は、英語なんてさっぱりだ。そして海外事業部のエリート達は、海外のテキトーすぎて仕事にならないような取引先を聡子に割り振った。聡子は、まず言葉が通じないのをどうにかしようとした。毎日、英語の勉強をするようになった。海外映画を英語で見たり、オンライン通話で海外の人達と通話して練習したりした。その成果があり、聡子は次第に英語を話せるようになってきた。
「聡子。俺達は来週からバカンスなんだ。だからそれが終わってから納品するけどいい？」
「いいよ。バカンス楽しんできて」
「聡子が担当で本当によかったよ。前の奴らは、早く納品しろってうるさくてさ」

聡子は海外の取引先から気に入られるようになった。人事部の思惑は外れ、聡子は海外事業部で実績をあげていく。