犬の大学

犬が我らも教養を高め、動物界のトップに立ち人間と対等以上に渡り合える知恵を得、世の中にも貢献したいと名乗り出た。
その為にも犬単独の生徒と教師を揃え、理想の犬大学を設立しようと公募した。
同時並行し、犬にも憧憬の深い人間の科学者や教養人も急遽お願いして、犬教師の育成に注力した。
犬という種は、今日まで人間との社会的集団の中で生き続けてきた事で、進化発達し有利な環境下で生活して来た生き物と言える。
自分の快適な生活の維持発展に、必要な長期記憶やそれに基づく応用力もある一方、僅か数秒前の事を忘れてしまう事も多々ある。
従い悪さをした場合も、その場で直ちに叱られないと、自分のどの行動が飼い主から怒りを受ける原因かが理解出来ずに、同じ誤ちをおかす事もある。
常にこの辺りの永続的自覚を高め、更に常識的判断力を身に付け、専門分野での知識向上と新たな研究開発、発見、発明に努力する所存と学長は述べている。