砂底でロバと踊るよ

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駅前公園にロバをとめて専用のペットボトルでおしっこを受けとめる。ロバ乗りの作法としては受けとめる表情を人に見られてはいけない。だから私は能面をつける。こんなときは鬼面より翁面。雫までしっかり受けとめると浄めの塩をまいて公衆トイレに向かう。ペットボトルにはペルシャ更紗をかけてエレガントに振る舞う。
ロバのおしっこは流さないでください。
拒絶する貼紙。私は次のトイレをさがしてロバに飛び乗る。海辺の公園にたどり着くとロバはまたおしっこ。私は翁面をつけて雫までしっかり受けとめると浄めの塩をまいてトイレへ。やはりロバのおしっこは駄目らしい。次も、その次の公園でもロバはおしっこをする。しかし流すことは許されない。途中、海を渡ってきたというロバ乗りに出会い、おまんじゅうを食べながらの情報交換。最終処分場は今も存在しないという。抱えたおしっこの重みでロバと私は砂地に沈む。さようなら。ロバに乗らない皆さん。
公開:21/08/17 11:05

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