復活の呪文
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ヤクザの子分が復活の呪文を使える僧侶を連れてきた。目の前には、親分の遺体が入った桐の棺が置かれている。
「おい、おまえ”復活の呪文”で何でも生き返らせることができるんだよな」
子分は棺の窓を開けた。いかつい顔をした初老の男性が、眠るようにして安置されている。
「この方はどうされたのですか?」
「どうもなにも、組同士の縄張り争いで、敵対する組の鉄砲玉にやられちまった。このままでは引き下がれねえ。前金だってたんまり払うから、いますぐ早く復活させてくれ」
「このままの状態で良いですか?」
「ああ、もちろんだ。そういった条件じゃねえか」
「彼がどうなっても知りませんよ」
「なにいまさら腰が引けているんだ。ガタガタ言うと、お前の頭に鉛弾をぶち込むぞ」
「やむをえませんね」
僧侶はゆっくりとした口調で復活の呪文を唱えた。
その瞬間、親分の同時に桐の棺桶が復活し、立派な親分は桐の大木に飲み込まれ……。
「おい、おまえ”復活の呪文”で何でも生き返らせることができるんだよな」
子分は棺の窓を開けた。いかつい顔をした初老の男性が、眠るようにして安置されている。
「この方はどうされたのですか?」
「どうもなにも、組同士の縄張り争いで、敵対する組の鉄砲玉にやられちまった。このままでは引き下がれねえ。前金だってたんまり払うから、いますぐ早く復活させてくれ」
「このままの状態で良いですか?」
「ああ、もちろんだ。そういった条件じゃねえか」
「彼がどうなっても知りませんよ」
「なにいまさら腰が引けているんだ。ガタガタ言うと、お前の頭に鉛弾をぶち込むぞ」
「やむをえませんね」
僧侶はゆっくりとした口調で復活の呪文を唱えた。
その瞬間、親分の同時に桐の棺桶が復活し、立派な親分は桐の大木に飲み込まれ……。
SF
公開:21/08/16 14:04
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