再び、寂れた商店街の一角で

5
2

目が覚めると、店の中にいた。
……この景色、見たことある。いつだっけ、昔に見た、あの商店街の夢だ。同じ夢を2度見るなんてことあるんだな。そうだ、少女がいたはずだ。
どこにいるんだろう?

……あぁいた。
また、嬉しそうに私に近づいて本を手渡してくる。

その本を見て「えっ」と思わず声をあげる。それは私が物語を書いているノートだった。確かめるようにめくり続ける。
(どうして、あなたが持ってるの?)そう問うことも叶わず、彼女は微笑んでまた、向かいのシャッターに描く。
今度は、

「またね」


……目覚めて思う。彼女は私の好奇心。純粋に物語を創りたいと思う心。
私はこれまで彼女と物語を紡いできたのだ。そして、私はそれを見つけるために、物語を創ってきたのだ。
あの子は夢で会いに来てくれる。だから、「またね」と。

――私も逢いに行くよ。
公開:21/08/16 12:00
更新:21/08/15 05:59

湖楠*

うみな と読みます。

思い付きで書いたものたち。
出来たら、昼の12時に投稿します。

タイトルは考えずに書いてるので特に意味はないはずです。
タイトル付けるのうまくなりたい。あと作品作りも。

Twitter(生きてないです)
https://twitter.com/m2_asx

ここでも書いてます(エッセイとか)
note
https://note.com/umina1043/
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容