赤外線の蚊取りマット

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すぐれた技術力を持ちながら、発想が異常にセコい、とウワサされる研究所がある。
今回の開発も、そのようだ。

「博士、この度、超小型の物体をとらえる、赤外線センサーを造りました」
「おぉそうか」
「5ミリ以上の物体が動けば、確実に反応します」
「うむ」

助手は続けた。
「この技術を、暗闇で飛ぶ“蚊”に対応させ、蚊取りマットに応用します」
「というと?」
「ベッドの上を動く物がある時だけ、蚊取りマットにスイッチが入って、薬が広がります。寝ている人に反応しないように、ベッド上50センチ以上の物だけに」

博士はうなずいた。
「なるほど。一晩中、蚊取りをつけるより健康的だな」
「はい、電気代も節約されます」

博士は顔をしかめた。「いや、重大な欠点がある。センサーの電気代がかかるぞ。その分、赤字になりそうだ。さらに研究が必要だ」

技術力は優れているが、発想がいまいちセコい、科学者たちであった。
その他
公開:21/08/14 18:34

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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