博士の家

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博士は研究にお金をかけ、毎日カップラーメンにお湯をかけ倹約しながら暮らしていた。

ある日、博士の家に車が突っ込んだ。
「どうしてくれるんだ!」とドライバーに怒りをブチまける博士。相手の保険金から修理するわけだが。家にも保険がかけられており結構なお金が入ってきた。だが、修理業者に依頼せず家は凹んだままだ。

博士はカップラーメンにお湯を注いで、残ったお湯を凹んだ壁にかけた。
「こんなにうまくいくとはな。この家は特殊な形状記憶合金でできているのだよヒヒヒ」
凹んだ壁は、嘘みたいに元の状態に戻った。

博士はこの形状記憶合金の外壁と、車を家に誘導させる発信機を発明したのだ。

数日後。博士の家に警察がきた。保険金詐欺の容疑だ。

「博士、超音波で自動運転の車を誘導して事故と見せかけ保険金を騙し取ったな。それに加害者の車に付着した素材は形状記憶合金だと判明しているんだ」

「記憶にございません」
SF
公開:21/08/14 14:05
博士 記憶 三題噺

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。

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