ゴーストタクシー

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今日は何軒はしご酒したんだっけ。うーん、もう記憶にないや。そろそろ帰って寝るかぁー。終電の時間は、とっくに過ぎている。俺は千鳥足でフラフラになりながら国道に出る。すると一台のタクシーが走ってきた。俺は手を挙げた。

「ひっく……。うぉーい!!タクシー、停まれぇえーい!!」

タクシーは停まった。後部座席のドアが開いたので、タクシーに乗り込んだ。

「ひっ……。大和町まで……ひっく」
「…………」

運転手は無言でドアを閉め、車を走らせた。運転は快適だった。時々信号で停まるがブレーキもゆっくりで、急発進急加速もない。運転手の愛想は悪いが、運転技術は大したものだ。

「ひっく……上司の奴がよー。俺ばっかり目の仇にしやがってよぉ」
「…………」
「おい、おっちゃん。聞いてるか?」

運転席を見ると誰も乗っていなかった。

「ひゃぁ!!幽霊!!」

それは最近流行りの自動運転のタクシーだった。
公開:21/08/14 11:24

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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