ガラスの小瓶

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水の入ったガラスの小瓶。実はこれ、私の画期的な発明品である。
一見するとただの香水の瓶に見えるこれを多くの者が高値で買い取ってくれた。
こんな瓶に何の価値が…とお思いだろう。残念、本当に価値があるのはその中身だ。
瓶の中を満たす水。その正体は液状記憶媒体である。
使い方は少し特殊だが簡単。パソコンの水冷式CPUクーラーにこれを取り付けるとパソコン内に外付け記憶媒体の表示がされる。
そう、このガラスの小瓶はこう見えて外付けハードディスクなのである。
この商品はすぐに壊せる事に利点がある。中の水が一滴でも減ってしまうと中の情報は破損する。小瓶を割ると中のデータは絶対に読み取れない。
この記憶媒体を後ろ暗い事のある企業から、産業スパイを危惧する研究所まで求めた。
脆い記憶媒体も使い様だな。
資金を得た私は今、気体型記憶媒体の開発に着手している。
今日も私はガラスの小瓶に囲まれ研究を進める。
SF
公開:21/08/12 21:04

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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