俺たちの

19
9

「野球やろうぜ」
母が死に塞ぎ込んでいた俺にあいつがくれた言葉。探偵業の傍、こんな俺にもよくしてくれる親友だ。

だから同じ言葉で俺にこの機会をくれたこと、本当に感謝している。

「お久しぶりです監督」
夜の球場、驚く監督の顔は少し老けていた。

マウンドはあの頃と同じ匂いがした。打席には奴が立つ。
因縁の男「怪物退治の逆転王子」

1打席だけの真剣勝負
5年越しのリベンジマッチだ。

ーースパアァアン

一球目、内角にストレート。空振り。
不倫で謹慎中とはいえプロから空振りをとった。球も走ってる。現役より調子はいいかもしれない。

二球目、外角やや高めを空振り。いける。

次が勝負だ。
相棒からは決め球のサイン。大丈夫。今回は盗まれてないはずだ。

放たれたボールは打者の手元で鋭角に落ちる「仕留めた」そう確信した瞬間…

ーーカキイイイン

あの音が響く。俺たちの…




夏が終わる音
ミステリー・推理
公開:21/08/11 21:26
更新:21/08/11 21:28
あの夏の記憶⑨ 次回最終回

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


Twitterアカウント(告知&問い合わせ)
https://twitter.com/Karatsu_a

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容