河童の恩返し

小３の夏休み。太郎君が川で遊んでいると、川の上流から何か緑色の物が流れてきた。太郎君はそれを拾い上げた。

「か、河童だ！！」
「くそぅ……。力が出ない。お前に頼みがある。俺の頭の皿を探してくれないか？力が出なくて自力で探せない」

太郎君は河童の頭の皿を探してあげた。

「あった！皿見つけたよ！」
岩場にあった頭の皿を見つけた太郎君は、河童に返してあげた。

「うおおお！！力が戻ってきた！！坊や、ありがとうよ！！」
「よかったね、河童さん」
「なぁ。坊や。お前にお礼がしたい。何か俺に出来る事はないか？まあ河童の俺では大した事はできないが……」
「うーん、あのね……。今年２５ｍのプールを泳げるようになりたいんだ」
「泳ぎか。よし、任せな」

あれから８年。一ノ瀬太郎１７歳。
水泳自由形２００ｍで金メダルを獲得した。インタビューで彼はこう答えた。

「やったよ河童！！ありがとう河童！！」