素数な彼女

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「君は僕にとって素数みたいな存在だよ」
数学にしか興味のない彼が私に言ったその言葉は、どういう意味なのか分からず、私はぽかんとしていた。素数とは、1とその数自身でしか割り切れない数字の事だ。例えば7とか11とか13とか。素数には規則性がなく、多くの学者達も規則性がないかと研究を重ねてきたが、結局今だに解明されていない数学の謎なのである。
「素数はRSA暗号に使われている。それは知っているかい?」
「RSA暗号?何それ」
「素数と素数の積で作られた主に金融機関で用いられる公開鍵の暗号さ」
「でもそれってブルートフォース攻撃を使ったらいつか破れたりしないの?」
「はははっ。ブルートフォース攻撃なんてしていれば一生終わらないさ。優秀なスーパーコンピューターを使っても大変さ。RSA暗号ってのは、非常によくできた優秀な暗号なんだよ」
「で、私が素数ってどういう意味なの?」
「特別な存在って意味さ」
公開:21/08/12 14:50
更新:21/08/12 14:54

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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