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友人の勧めで文鳥を飼い始めた。鳥に興味はないがこの文鳥は別だ。
何せこの文鳥、文字通り文を食べる鳥である。初めて聞いた時は私も驚いた。
試しに推理小説を食べさせると気に入ったようで私は文鳥が好む推理小説を買って来ては与えるようになった。
文を食べる文鳥はその糞も文で出来ている。糞を読んでみるとまるで奇書の様だった。…これは読むべきではないな。糞は糞らしく捨てるようにした。
またこの文鳥、文を食べる事から部屋に現れる蚊も食べてくれる。
おやつ代わりなのか、その味を占めた文鳥は時折外へと逃げて行く。
でも大丈夫。文鳥が行くところなんて、近くの本屋か近所の森・藪・畑かだ。すぐに見つかる。
お気に入りの推理小説をかざせば飛んでくる。
時折、他所の文鳥もやって来るが間違える心配はない。
何故なら私は自作小説を文鳥に食べさせている。
私の癖のある文章を食べてくれる文鳥は世界広しと言えどもこの子だけだ。
公開:21/08/10 20:29

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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