柴子のコンチキたぬき噺 〜其の参 宴の果てに

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「ようタヌ公、この暑いに何やってんでえ」
深い緑に囲まれた稲荷社の境内で、旧知のタヌ公が子狸を大勢連れて何やら騒いでいる。
「こいつはお狐様、お邪魔してやす」
「ウカノミタマ様が様子見てこいってよ。葉っぱぶっ散らかした挙句、くるくる回ってどうしたい」
「狐のおいちゃん!これね、きんめだる!」
「へ?」
「いやおりんぴっくとやら、どっこの国の方も偉いもんだと思いましてね。だから勝ったも負けたも、みんな笑って帰ってもらいてえと」
見ると様々な形の変てこなメダルが山と積まれている。
「そんでどうやって渡すんでえ」
「そいつが問題で…」
すると社の方から轟っと一陣の風が吹き、子狸たちの作ったメダルの山は、瞬く間に空高く巻き上げられた。
「ウカノミタマ様…!ありがとうごぜえやす」

その夜の閉会式で、突如選手たちの上にきらきらと輝く小さなメダルが降り注ぐのは、まだ内緒のお話。

とっぴんぱらりのふう
ファンタジー
公開:21/08/08 18:49
タヌ公とお狐様シリーズ 3本め 東京オリンピック2020 すべての国の選手の皆様 お疲れ様でした #129

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

【note】
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