6段目の階段

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「A株式会社に資料を届けに行ってきます」
「桃山君」
「はい?」
「君は、A株式会社に行くの初めてだったかな?」
「はい。初めて行きますが場所は調べたので大丈夫です」
「いや、そうじゃないんだ。あー……その1階から2階へ続く階段なんだが、登るときも降りる時も6段目は飛ばしなさい。危ないから」
「えっ?」
「いいから!分かったね?」
「は、はぁ……」

私は、部長が言ったその奇妙な言葉の意味を理解する事になる。

「こちらです。ご案内します」

私はA株式会社の社員に案内されて階段を登った。部長に言われたとおり、6段目は飛ばした。そして資料を届けた帰りの階段を降りていた時、先に降りていたA株式会社の社員が6段目の階段に足をつけた。その瞬間、階段から手が出てきて足を掴んだ。A株式会社の社員は、階段から転げ落ちた。

そうか。部長が言っていたのはこれか。ここの敷地は昔、墓地だったらしいからな。
ホラー
公開:21/08/08 14:58

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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