川柳おじさん

「本日の　天気も快晴　夏の空」

まただ。うちの夫は、会話のほとんどが川柳だ。川柳のグランプリで金賞を受賞してから川柳ばっかりだ。もううんざりだ。

「お母さん　今日の夕飯　何ですか？」
「南瓜の煮つけよ。……ったく」
「風呂あがり　この一杯が　やめられん」
そう言いながらビールを飲む夫。

「盆休み　ちょっとどこかへ　行かないか？」
「えっ？どこへ行きたいの？」
「たまにはね　家族旅行は　どうだろう？」
「いいわね。温泉に行きたいわ」
「温泉か　それはのんびり　できそうだ」
「じゃあ旅館予約しなくちゃ」
「有馬かな？　それとも別府？　道後かな？」
「じゃあ有馬温泉。それでいい？」
「大丈夫　せっかくだから　良い宿で」
「そうね。たまには贅沢するのも良いわね。ちょっと良い宿予約するわ」

そうして家族で温泉旅館に泊まった。

「良い湯だな　家族皆の　思い出だ」
これは私の川柳だ。