国見津家の食卓

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私が名家、国見津家に嫁いできて1カ月。義理の母は、とても厳しい人だ。掃除、洗濯、料理。あらゆる家事に対して事ある毎に口出しして私に注意してくる。まさに鬱陶しい姑だ。

「涼子さん。あなたは国見津家に嫁いできたのですから、国見津家の味をしっかりと覚えてくださいね」
「はい、お義母様」
「涼子さん。今日の夕食は、すき焼きにしようと思います。買い物は今朝のうちに私が済ませておきましたから、あなたは具材を切ってください」
「わかりました」

ラッキー。今日の料理は簡単ね。今日は楽できそうだ。

「お義母様。タレの味はこれでいいですか?」
「そうね。シメは私が準備しておきます」

シメかぁ。ご飯かな?うどん?
すき焼きを堪能し、ついにシメが運ばれてきた。

「ええ!?」

お義母様は、豪快に鍋の中に巨大なタコをぶち込んだ。タコ丸々1匹を一人につき1匹、かぶりつくのが国見津家のすき焼きのシメらしい。
公開:21/08/07 15:33
更新:21/08/07 15:44

富本アキユ( 日本 )

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