氷天女の怪
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空から天女が舞い降りてきたと言っても誰も信じないでしょう。
ですが私は確かに見たのです。
「これがあなたの求めているものです」
そう言って天女は私にアイスピックをくれました。
そのときは意味がわかりませんでしたが、使ってみれば何か思わぬ効用があるのかもしれないと思い、私は氷を買って帰りました。
アイスピックを振るって氷を砕いていると、私は妙に心がすっと落ち着き、何かが腑に落ちるように感じました。
やがて目の前にはあの天女にそっくりな氷像が立ち現れていました。
その精細な造形をじっと眺めていると、とても自分が彫刻したとは思われません。
氷の天女はまるで生き物のように動き出すと、私に這い寄ってきて冷たい手で私の頬を撫でました。
私は急に恐ろしくなって彼女の心臓をアイスピックで突き刺しました。
すると氷の体は溶けて水となり消えました。
以来そのアイスピックは台所にしまったままにしてあります。
ですが私は確かに見たのです。
「これがあなたの求めているものです」
そう言って天女は私にアイスピックをくれました。
そのときは意味がわかりませんでしたが、使ってみれば何か思わぬ効用があるのかもしれないと思い、私は氷を買って帰りました。
アイスピックを振るって氷を砕いていると、私は妙に心がすっと落ち着き、何かが腑に落ちるように感じました。
やがて目の前にはあの天女にそっくりな氷像が立ち現れていました。
その精細な造形をじっと眺めていると、とても自分が彫刻したとは思われません。
氷の天女はまるで生き物のように動き出すと、私に這い寄ってきて冷たい手で私の頬を撫でました。
私は急に恐ろしくなって彼女の心臓をアイスピックで突き刺しました。
すると氷の体は溶けて水となり消えました。
以来そのアイスピックは台所にしまったままにしてあります。
ホラー
公開:21/08/05 20:29
更新:21/08/05 20:30
更新:21/08/05 20:30
夏の怪談
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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