チェックメイト

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「チェックメイト」
その台詞が言いたい。ただそれだけの理由でチェスを始めたら世界大会に出場するレベルまでに上達してしまった。次の対戦相手は、アメリカ代表のヒューバートさんだった。今まで戦ってきたどの相手よりも強い。間違いなく、この人は強敵だ。
「野崎。ユアー、ベリーストロングですね。でも僕は負けません。賞金1000万ドルは僕の物です」
えっ!?これ賞金1000万ドルも出るの!?知らなかった。マジかよ。チェックメイトって言う事しか頭になかったから大会の概要なんて全く見てなかった。急にやる気が出てきた。ヒューバートさんの手を崩す最善の一手はないか?
しかしその一手は見つからない。強固な守りと絶妙な攻撃。攻防のバランスが取れた彼の打ち筋は、さすが世界レベル。

「野崎、チェックメイトだ…」

青い顔をしたヒューバートさんが腹を抑えながらトイレへと駆け込んでいった。
彼の棄権により俺は勝利した。
公開:21/08/05 10:24

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

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