居酒屋にて

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「絶対、納得いかない!」
ジョッキのビールをグィッとやりながら、目の前のサタンが叫ぶ。
「何なの?名前、サタンって。人間は自分に苗字と名前を付けて呼び合ってるのに。人外にはこの扱い?まるでペットみたいじゃない!」
「まぁまぁ。。」
私は白い翼の位置を整えながら、サタンを落ち着かせる。
「ミカエルだって、どうなの?勝手に名前つけられて。。」

「どうしたどうした?」
隣の卓の連中が話に入ってくる。サタンは今度は彼らに絡み始めた。
「人間に勝手に名前付けて、呼ばれて。扱いが酷いって話をしてたの!」
「本当だよ!俺なんて名前、あかなめだぞ!誰が好き好んであかなんて舐めてるかっての!せめてもっと、オブラートに包んだ名前にしてくれよな!」
「俺だってフランケンシュタインとか呼ばれるけど、そりゃ俺を作った博士の名前だっての!俺は何だっての!」
…あぁ、今夜は長くなりそうだ。ミカエルは漬物を頼んだ。
ファンタジー
公開:21/08/07 18:00
更新:21/08/07 10:54

お弁当係

2021年7月、投稿開始。
小説を読むのが好きですが、書くのも楽しそうで始めてみました。
読んでいただければ幸いです。
 

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