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「森羅万象あらゆる問合せに、専門の相談員が公正な立場で処理にあたっています」
そう謳うポスターを相談員は一瞥した。
「次の方どうぞ」
人の形をした二足歩行の植物が部屋に通された。
卓上の万物翻訳機を植物モードに切り替え「どうぞ楽にして下さい」と何も植えていない植木鉢を促した。
植物は人型を崩し植木鉢に根を下ろした。
『実は一人じゃないんです。同じ相談の方とお会いして…』
そう翻訳機が訳すと、相談員は霊視ゴーグルの感度を上げた。
すると着物姿の髪の長い女性の霊が見え、彼女は会釈した。
「失礼しました。植物と霊が同じご相談とはいったいどうなさいました?」
女霊が譲ると植物が葉を揺らした。
『実は…丑三つ時になっても人類が全然明かりを落としてくれないんです。我々が唯一眠れる時間なのに寝れなくて』
「私共も一番効果的に活動できる時刻なのですがこうも明るいと…」
女霊のか細い声が恨めしく続いた。
そう謳うポスターを相談員は一瞥した。
「次の方どうぞ」
人の形をした二足歩行の植物が部屋に通された。
卓上の万物翻訳機を植物モードに切り替え「どうぞ楽にして下さい」と何も植えていない植木鉢を促した。
植物は人型を崩し植木鉢に根を下ろした。
『実は一人じゃないんです。同じ相談の方とお会いして…』
そう翻訳機が訳すと、相談員は霊視ゴーグルの感度を上げた。
すると着物姿の髪の長い女性の霊が見え、彼女は会釈した。
「失礼しました。植物と霊が同じご相談とはいったいどうなさいました?」
女霊が譲ると植物が葉を揺らした。
『実は…丑三つ時になっても人類が全然明かりを落としてくれないんです。我々が唯一眠れる時間なのに寝れなくて』
「私共も一番効果的に活動できる時刻なのですがこうも明るいと…」
女霊のか細い声が恨めしく続いた。
SF
公開:21/08/06 13:17
まずは自分が楽しむこと。
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